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これからの歯科医療がどうなっていくかというと、「再建から再生へ」がテーマになると私は考えています。
再建とは文字どおり、失われた部分を他の物で代用することです。事故で足を失ったら義足で補う、歯がなくなったら入れ歯を入れる、ということですね。チタン製の人工歯根を埋め込むインプラントもこの範疇に入るでしょう。
しかしインプラント一つとっても技術革新は進んでいます。いままでは、アゴの骨がないとチタンを埋め込めませんでしたが、現在では外科医とのタイアップにより、腰骨から骨を移植することも可能です。また、骨折の治療に使われているような、骨を再生させる材料でアゴの骨を新たに作り、そこにインプラントする技術なども開発されていて、私自身、治療の現場で実際に行っています。
こうなるともう、技術の行く先は歯自体を再生する以外にないでしょう。現在、かつら製造メーカーが先を争うようにPRP技術の研究をしているそうですが、これは髪の毛を再生させられると信じているからです。アメリカではすでに、人工培養した皮膚を患者に移植していますので、薄くなった頭を、簡単にふさふさに戻せる技術が発見される可能性は低くなさそうです。
これらのことを考えれば、歯だけが再生できないとは考えにくく、いずれはSCAFFOLD(足場)となる人工素材を組み合わせた、いわゆるハイブリッド型人工臓器(インプラント)や組織工学と呼ばれる手法も、歯の再生医療の1チャンネルになることでしょう。
「昔はチタンのピンを埋め込んでいたんだよなあ」などと、現在の最新技術を懐かしく振り返る時代が案外早く来るかもしれません。
ただし、これらの技術がすぐに町の歯医者さんで受けられるようになるかといえば話は別です。以前にもお話しした通り、歯医者の世界は、保険制度の枠を超えて新しい技術を積極的に取り入れようとする人たちと、日々の治療に追われ、技術革新が遅れている人たちとの二極分化が進んでいて、前者は少数派なのです。
このような状況下で、私のようなインプラントを得意にする歯科医には、患者の治療とは別に、歯科医の技術指導というニーズが生まれてきています。要するに、技術革新の遅れている歯科医にインプラントを中心とした技術を指導し、必要ならば、出張して彼らの施術を補佐するのです。
最近、この種の仕事が増えている私ですが、けっこう性に合っているし、多くの患者さんに喜んでもらうためには、案外こちらのほうが手っ取り早いのではないかと思ったりもしています。もちろん自分で治療するのも大好きですけどね。
いずれにせよ、医療とは縁です。医者と患者、治療法と患者がよい出会いをすれば、お互いが幸せになることができます。このホームページを読んでいただいたみなさんと直接お会いできれば嬉しいし、そうでなくても、よい歯科治療と巡り会う患者さんが増えればいいと思います。そのために何かお手伝いができれば、歯科医として本望ですね。
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